桜/ドライ運河
のように弾んでいた
バレバレで呆れられていたのにムードには逆らえない
帰りに振り返ってチラっとお城を見たときに
なんていうかな、これは本当にズルいなと思った
入って出て行くだけただそれだけ
建物なんてみんなそうだ
にも関わらず
出て行くときにどんなとこにいたっけ?と
わずかに振り返ってみると、どうしてなのか感慨深くなるというか
錯覚なんだろうけどそんな気がして
物語に没入するのも
詩にやられてしまうのも
読み終わった後の余韻にタイトルが、表題の文字が染み込んでくる
そんな瞬間があるからたまらなくなるわけで
雨が降って地が固まるわけで
門をくぐったころはあんな大きかった
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