歩きやすい道にはなにも落ちていないよ/ホロウ・シカエルボク
 

選択した枠組みに甘んじることなく
生きている自分を見せつけることが出来るかい?
そんなことに躍起になってる連中も居る
やたらと周囲の人間を巻き込んで
おまえよりもおれのほうが上なんだと
鼻息も荒くアピールして見せるのさ
だけどそれはもうアウトだ
「ひとりじゃなんにも喋れないんです」って
自ら宣言しているみたいなものだから
世界はいつだって出来上がった何かをなぞっているだけだから
なんにも信じちゃいけないよ、きみ
それは一見びっしりと書き込まれたページに見えるけれど
隅々まで読んだところでためになることはなんにも書いていない
それはきみが
自分で書かなければならないことなんだ
世界にはきみのスタートボタンはない
それはきみがきみ自身という迷路の中で見つけ出すものなんだ


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