ひかり 冬の手/木立 悟
 





乾くことのない水滴に
静かに静かに築かれる墳墓
月の動きを
見つめている


後ろに手を組んだ花
折れた櫛の先
人々は憤り
道に夜が来る


霧の雪
鳥居の上
うたひとつ
散り咲かせて


菓子の匂いの靴で
冬の土を踏む
いつまでも
径に成り得ない土


息に揺らぐ月
弦の断片
鈴が砂になってゆく音
かなしく やさしい音


光を二度視て
目を閉じるとき
かたちは羽ばたき
さようならを言う


おまえおまえああおまえ
どこへなりとゆくがいい
つながることのないたましいの
どこまでもつづく火の行方まで


























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