ある『愛』の詩(ミッドナイト・スネーク)/秋葉竹
 

その深き夜
ぼくたちは
この世界に巣食う
この世界の地の底を這いまわる
ふたりっきりの
蛇なのだと自覚した



それからぼくたちは
かつてよりよく知っていた幸せを
なんとか取り戻そうとするのだ

だれにもできない
永遠の『愛』をふたりが
ふたりだけが
手に入れることができるとは
信じられないけれど

どちらかが
先に死んだとしても
残されたひとりは
幸せなまま生きていけるという
永遠の幸せ

そんなもの
あるわけ
ない

けど

あると
ふたり
信じようとして
信じようとして

ある日気づいてしまうのだ
ひとり
[次のページ]
戻る   Point(5)