道[tao] effect/人形使い
知らずこころの奥で同じうたをうたっていた
何も変わらないように構えている宇宙の果てしなく長いコードはほんの少しだけ書き換えられたのだ
ぼくのうたが一篇書き加えられたのだ
そしてやっぱり重力の水面は相も変わらずしんとして静まり返っている
それでいいのさと、ひとり、お腹に抱きしめる温かくて柔らかいタオ
深く瞑ったまぶたの裏側で、世界が一つ生まれ、それはついえた
いま魂は馳せる時の蹄をものともせず、連なる山脈よりも遥かに高く隆起し、深遠なる宇宙に屹立していることが
―ぼくにはわかっていた
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