冬の花火/秋葉竹
 

心の優しさのなかに
針を浮かべていたら
痛いでしょう?

覗き込んだ闇色の影の人は
でも届かない特別な鳶色の瞳をしていた

諦めないと
何度も何度も繰り返し
握りしめた手を震わせ
自傷と自嘲を繰り返す
この世界にはびこる
それが鉄壁の思い遣りだからと
握りこぶしを打ちつける
諦めない
諦めないと

流された子どもの感性は
まるで怒涛の怒りのあとに
泣かされた顔で吐き出す
膨らみ始めた胸の最初の希望のようだ

?き消す時間を過ごす
映像は天球のてっぺんから見下ろした
優勝劣敗を打ち破るためにある
この世界の四隅をまぼろしにする


[次のページ]
戻る   Point(7)