別離さん/後期
別離さん
じつは、
もう、あきたんだ・・・
ぼくの底も、見えただろうし・・
きみの底も、丸見えだ・・・・・
縄で、降りていったら
つきなみの愛欲と悲しみと
不安と諦めが、車座で
酒をのんでいた
あんたは、誰だときかれたので
別離ですとこたえた
そうか、あんたが別離なのか
別離は、俺らを覗きこんで
おーい!の言葉もなしに
立ち去っていくものだと
おもっていたけれど
同じ底を踏んでくれて
ありがとう
ごく普通のビールを
土色のマグカップで
ふるまってくれた
つまみは、コンビニで
売ってるような
ベビーチーズを二つくれた
つきなみの愛欲
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