だいじなことはそこにあること/秋葉竹
 

あなたが好きなのに
あなたの姿をみながら
交差点で右折するバスに乗ってるみたいに、
永遠に逢えない。


整えられた本棚のなか
しょくぶつ、と、てんたい、の
あいだにはさまれた
しかも隠された、てつがく、の、栞の
艶めかしい葉脈のうずきを
寂しい魂の鼓動とする。
私だけの。


私のことが好きって
証明してくれるんだ
亡霊になっても
もう、逢えないけど白い花を咲かす
常世の森の中で
道に迷い、転がり、進む、
手折り花束とする言葉は純然たる真実
ではないけれど
私だけにくれるなら。
嬉しい気持ち。

私だけの。


幸せになるための
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