恋煩い/中原 那由多
刻一刻と
孤高のままに拗らせた
紺を纏った恋煩い
鼓動の行方を知らずして
声無き鼓舞を繰り返す
声無き鼓舞を繰り返し
金平糖を転がした
今宵の月は弧を描き
木枯こぞって吹き荒ぶ
ここから見えるは広大な
湖畔のような恍惚で
湖畔のような恍惚は
好意が故の行為の果てに
故意無く混沌こしらえる
拳でコツコツ小突いた恋は
小っ恥ずかしく木っ端微塵
声色凍えた子供のように
こっこここれは誤解だと
呼吸のリズムも小刻みで
今回ばかりは交渉決裂
今回ばかりは交渉決裂
これまで後悔、これからは
この世の終わりが今晩わ
紅茶の苦味が功を奏して
五臓六腑
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