コーヒーの詩学/葉leaf
 
コーヒーという飲み物には私の人生の出来事が付着しており、一杯一杯のコーヒーにすべてエピソードがあってもおかしくないのだ。コーヒーの苦さは人生の苦さであり、コーヒーの香りは愛の香りだ。私はコーヒーに執着する。
 二つのマグカップにコーヒーを注いで二人で会話をしながらコーヒーを飲み合う。そのとき、その二人は互いの孤独を飲み合っているし、互いの孤独を愛し合っている。コーヒーの酸味を赦し合うということ。それは親密な二人の間の赦し合い、互いの欠点や不備の赦し合いに近い。コーヒーは孤独の飲み物であると同時に、愛の飲み物でもある。 

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