ハチミツ/秋葉竹
 

タブレットを口へ
冷たい柑橘の匂いが鼻腔を満たす
雪の爪が
空の扉に描く

生まれ故郷の風景、あのころの
笑顔………

オレンジ色の陽射しが
寒くて寒くて震えているこころを
田園の暖かい日に連れて行ってくれる


《微笑むつまとふたり読む詩は、ハチミツ》


あいかわらず
愛情のわからないひとだな
手を握るだけで悲しみも消えるというのに



祈ります
だから今なら
葦原の湖のほとりで
ひとり
ひざまずき祈ります

このあとなにがあっても
このあと少しでも
目を見て喋ってください


学生の頃
目深に帽子をかぶっていたなぁ
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