瀬戸の蝶々/秋葉竹
蛇がいる
君の微笑む裏切りを
しんじず毒牙で首すじを吸う
キラキラと
瀬戸内海の橋である
入り日を吸い込み赤い息はく
音も無く
飛んで火に入る蜂の羽
そして泣いてるみたいな心が
銀色の
電車の過ぎ去る遠い街
志望動機はいまは忘れた。
蕩けてる
血の味のする早朝に
君の慟哭だけで血となる
どの道を
歩いたのかは知らないが
その悲しみを伝えよたそがれ
蛇はいる
いつか勝手に消えてしまった
言い訳信じて平和なみちゆく
みちゆく、平和な
瀬戸に散る波。
その青の
波しぶきを浴び、痛む目を
知らずただ翔ぶ、瀬戸の蝶々
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