梯子/ふるる
試験監督は
少しいらいらしているようだった
誰も設問の作り方を知らなかったしそれは彼も同じだったから
誰が一番悪いか決めたらいいと思わない?とおんなのひとがいうのでみんなでうんといっておんなのひとを指差したのでバスが止まったの
彼女は冬の夕焼けに染まる赤いかかとを鳴らし降りた
断崖からは遠ざかったけれど
一人で歩くのはさすがにきついから
ヒールを脱ぎ捨ててこれからは自由
空き缶集め
あなた方も部外者ではないのに
まるでわかってはいないで
黄色やハッカ味のあめちゃんをあげたりもらったりするだけ
時計台を過ぎたら
バスに搭載された人工知能を信仰しようと彼らは言
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