弱者達の嗚咽は/
こたきひろし
風がゴーゴと吹いて
安らかに眠れない夜を繋ぎ合わせて過ぎていく日々
この命をささえる仕組みも経年劣化して
無情に軋んでいるけれど
その痛みに壊れてしまいたくはない
言葉にならない不安が
感情の川岸を削りとっていく
やりきれない思いに
川面がさざ波に震えてる
必要なものは失いつづけて
不要なものに埋まっていく
歳月
それが
生きていくと言うこと
なのかもしれない
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