ひとりの部屋/
帆場蔵人
ひとりの部屋には
ひとり言や鼻唄が
響くだけ響いては
ちいさく、ちいさくなって
ちりやほこりのように積もっていく
忘れたころに気まぐれな
神さまが通り過ぎると
つかの間、舞い上がり
光のなかを舞い落ちる
そのきれいなこと、きれいなこと
ほら、ちりやほこりも時にかゞやく
きっとだれかが観ていますよ
神さまの耳打ちに
小さな芽が
にょきりと
空に手を
のばす
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