冬野過ぎゆく時、死す/秋葉竹
冬野過ぎゆく風、
冬枯れのしろい空
痩せた私のこいびとが
その空をみあげて武器を振りあげる
冬野過ぎゆく風、
どんな性にとっても
哀しい事故も受け入れる
力を持たない空っぽの拒絶の色合いを知っている
冬野過ぎゆく風、
なにもそっと消えゆくために
心友(こいびと)の命をすり減らすのではなく
この街のど真ん中の川を流れている
とうろうの灯りにもにた
正しいこころの灯りを
むごんでながめながら
そこに流れる哀しみを
心に刻まれた野性の息で吹く
金と銀の笛の音を聴こう
冬野過ぎゆく風、
行きたくても行けない場所に行く
けれど、それが、死ではなかったのか
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