雪の歌《改》/秋葉竹
 

林檎の木からは
そこに巣食う虫どもを
怯えさせる匂いしかしない

空気も甘酸っぱいまま凍りついた
林檎園の丘の上に転がるように
あたしの脱け殻は
星の下で眠るんだ

陽だまりの日常のなかに流れる
生きているのを許可された時間のなかに
屹立する独善的アブノーマルがみえた

たとえば
偽善?

たとえば
盲愛?

カタチのある歌を歌った夢が
あたしには必要なんだと勘違いする
危うい心の上にゆらゆらとゆらゆらと
立ち込める化粧の匂いがする

それが哀惜の地峡のエッジ
2度と求めない爛れた愛欲

降り積もる冬の林檎園に
羽ばたく若い裸の鳥

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