ファンタジア/ドライ運河
る
キラキラしたクラゲの洪水
飲み込まれていくプランクトン
君の寝息に混ざるドーナツみたいな気泡は
真っ直ぐ浮かびあがる天使のリングのよう
魚になったらエンジンは置いていこう
古い巻き貝を集めて
夜明けの先まで泳いでいけたら
どんなに素敵なことだろう
にぎやかでとても静かな日
不安で胸がさわがしくなることもない
ささいな悩みは頭蓋から逃げ出して
はしゃぐ君と走っている
燃えるようなダンスと
きらめく花火に見とれている
現実のただなかにいるなんて
ウソみたいだね
迷い込んだ迷路の果てのジオラマならたぶん
目の前でゆらめくこの世界
きれいだね
木
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