サヨナラは、好きだから/秋葉竹
 

浮き輪を
投げてあげたい無数の暗い努力の腕
アデューって挨拶を
輝く笑顔で友のためにする
好きなだけ
好きだから。


一番最初のまだ青い石榴の実は
眠るための大人の詩に
しっとりと頬ずりするキスみたいな味だ

ひっそりと
天使の通り道に
佇むだけで罠になる私。ハハ。

やめなければならない
頂点の支配には
死の意味しかないと
知ってしまったから
足が震えて進めない

ポケットにねじ込んだ
生きていてもよい理由のひとつ
おみくじで
大凶だったこと

を風車にすり替え
大凶をアデューにすり替える


ハハハ。

神様なんて
私の心の岸辺に佇んで
笑ってサヨナラしてくれている
年老いた憧れの人だ。カカカ、て。






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