才能とは前例のない武器である/ホロウ・シカエルボク
とを知った、ことも大きかった。テレビ見ながら書いた詩だっていいものならウケるのだ。まあそれも才能っちゃあ才能なのかもしれない。とにかく、情熱は必要ではなくなった。自分が手にしているもののことがようやく解るようになったからだ。
要するに才能というのは、前例のない武器なのだ。その使い方を会得したものだけが、情熱の先へ行くことが出来る。情熱であったものが、何かもっと別の、しんとした空気のようになり、そこから攻撃が放たれる。様子見の牽制だろうと、会心の一撃だろうと、そこには身体が覚えてきた確かさというものがある。
もう僕は結果を欲しがらない。それはここにある。僕は生きている限り書くだろう。そうしていつまでたっても到達点の見えないこの戦いが、年々愉快に思えてくるに違いない。才能とは前例のない武器だ。そうして僕は、それをどうやって振り回せばいいか、そこそこ解っているのだ。
戻る 編 削 Point(4)