才能とは前例のない武器である/ホロウ・シカエルボク
 
は枯渇してしまったのか?いや、そうではない。

才能というのはいわば、オリジナルの武器のようなものだ。その人のためだけに存在する武器のようなものだ。先に書いた時期というのは、「自分も戦えるのだ」という高揚感のみで闇雲に振り回しているだけだ。そして、あるときふとその形状や効果が気になるわけだ。あれ、これの使い方はこれでいいのかな?

実を言うと、僕が詩を書き始めたのは、二十代の前半に狂ったように書いていた小説のようなものが書けなくなったからだった。なにか意気込まずに簡単に書けるものがいいな、そんな風に思って書き始めた。真面目に詩人を志している人には非常に失礼な話だと思うけれど。なにも書か
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