ある日のえんばー1/若乱
パチって他人に脂汗垂らさせながら苦しい作り笑いで見送られたい人は中身などなくともブランド品に身を包んでそうやって歩けばいいけど、僕にとってそのブランド品が等身大の大きさであるのなら、いいけれど、自分にはそのゴルフ(ルールすら知らないし…)の帽子が等身大とは到底思えず、嘘がばれた時のように恥ずかしい。すぐにザ・ダイソーで、250円の帽子買う。無印で少しペラペラだけど、機能的には何一つ変わらない。5000円と250円。人は何倍もの値段で、威厳という何よりの生きやすさを買うのだ。呼吸しやすくなる感じだろうか、と息のしにくさに納得しながら、暑い中チャキチャキ歩く。
(つづく)
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