えんばー3/若乱
 

  藍の葉

夏の勢いのピークは過ぎて

深くなってゆく緑に埋もれながら

もう必然を忘れたのって
泣いた後の脱力のうちに
ふつふつと小さな実をつけている

葉の色はきっと甘いあお色なのだと思う
2017/8/3


 一瞬

たった一人に会えた時の
すべてを忘れる一瞬は
一瞬さ そうだとも でも
心に残った君の美しさはある時ふと
僕の心を浄化するだろう
2017・8・2


 亡骸

何かがつながっているようで
別に何も見えやしないさ

消えてゆく本当たちは
くるむ手だけになってゆく
亡骸を慈しんでいる

風がさらった
とう
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