月と牛乳/
赤椿
大きなフォークで ザクザクと
今日昇っていた月を 突き刺して
美味しい粉にしてしまおう
形あるものを 崩すのは
どうしてこんなにも 気持ち良いのか
今日の僕も いつも通り駄目でした
思い出すたびに 月にフォークが減り込んでゆく
満月から 新月へ
狂ったように 泣きながら腕を振り上げて
濃い牛乳が温まったら
月の粉を全て流し込んで
何も考えずに 眠リましょう
戻る
編
削
Point
(1)