逃亡者/梅昆布茶
マルクスはロンドンで
トヨタのこうきゅうしゃの夢なんてみやしなかっただろう
意味なく渋谷に異星人がいるわけでもないのだが
ぼくたちは余裕なく金をつかいつづけ愛をつかいはたし
それは誰かのせいにしてはいけないことだとおもうのだ
ラッセルの幸福論もヒルティの恋愛論も
ニールヤングのシュガーマウンテンも
夭逝した詩人も理由があったりなかったりするのだから
人間はそれぞれ精緻なシステムを抱えて生きている
それぞれ神が宿ってるとしか思えないんだが
ぼくたちの脳科学はしあわせの為にあるのだろう
外科手術も彼女の助言もあまり役に立たないとおもったら
ぼくは逃亡する先をさがしはじめる
それが永遠と言う名の不毛だとしても
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