えんばー 2/若乱
 






いけません僕は忘れてしまいそうになります
僕たちは無意味なのでしょうか
僕たちはさもしいのでしょうか
美しい営みも
美しい言葉も
まるで意味がないようじゃないですか

卑屈さや僻みが逐一何かを忘れさせてゆうようです

僕たちはつまらないありきたりを繰り返す
あきらめるように食いつなぐしかないのでしょうか

「いやぁ…いいなあ、若さって

ふふと一里塚腰下ろして
ひざを折って緩やかにさみしそうに笑うおじさん

「だって僕には
身を切るような絶望も
脱気しつづける幸せもないのです

その上僕はこの瞬間にも老い続けているのです!


[次のページ]
戻る   Point(1)