氷の壁が/
こたきひろし
街は正解と不正解が犇めいていたし
真実は虚構になぎ倒されてもいた
いっさい血は巡らない空の下には
寒気の壁が立ちはだかって
人は誰もしあわせな気持ちを手に入れられない
それでも欲望の舌は渇かないから
物欲 金銭欲 食欲 性欲
その他の欲望に涎が止まらない
ああ嫌だ厭だいやだイヤだ
し
飽きてしまった
こんな世界
私は正解と不正解の産物
真実は悪魔に飲み込まれてしまいそうだ
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