冬の雨/立見春香
 
寂しいのは怖いんです
心や
言葉まで
寒くなってしまうから

寒いのはいやなんです
子供のころの
冷たい雨に打たれた
終業式の日が思い出されて
通知簿を仕舞い込んで
悩んでいた小学生が
風邪をひいたのは
自業自得だったでしょう

ザクザクと
砂利道を歩いている

ためらうことなく
君はひとりで

わたしとつながれた絆など
希望を断ち切るように切ってしまったわけだから

そういえば君は早朝から
辛すぎるカレーライスを食べていたなぁ

もう
わたしの心からは死んだけれども

つまびらかにされた罪を
痛みに変えて
泣きだす
打たれたほおが夢を
こっぱみじんにしてくれるけれども






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