ひとつひとつ/帆場蔵人
 
西陽が腹にあたって
あたたかだ
ぬくもりだ
猫たちも
丸くなり円くなり
手をのばして
その陽射しをひとつ
棘の無い冬をひとつ
あのひとの笑みをひとつ
すべてひとつずつだけだ
取りすぎちゃいけない
ひとつあればいいんだ

懐にひとつ
隣にひとつ
バス停にはひとつ
置き忘れてゆこう
だれかひろうだろう

陽射しのした
ぼくら円くなり
ひとつ
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