窓が開かれる/葉leaf
 
紀夫や安部公房などたくさんの小説を読んでいくことになるが、その端緒を開いたのが梶井の作品だった。人生とは窓を開いていく過程だと思う。文学の窓、音楽の窓、仕事の窓、家庭の窓。人生には様々な領域があり、それぞれがそこへと至る窓を持っている。その窓が開かれるきっかけは人生のいろんな場所に用意されている。たくさんの窓を開いてその先の豊饒な世界を探索していくということ。そのことにより人生がどんどん彩りに満ちたものとなっていくこと。人生とはひっきょうそのような営為ではないか。

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