冬のパズル/
そらの珊瑚
晴れた港の
防波堤を歩いた
コンクリートのひび割れから
小さな花は灯る
テトラポットは
夜ごと
組み替えられている
それらが
いつか砂粒になるまで
続いていくとしても
さかなのほかには
誰も知らない
朝火が
闇を燃えつくし
月を
白い燃えかすに替えて
なにもかも見失っていけば
心は
みるみる弱くなる
いつか泡になっても
さかなのほかには
誰にも告げない
みんな
解けないパズル
解かれることさえ
彼らは望んでもいないのです
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