ト なって14 元日の神々/ひだかたけし
 
神走る
跡を追う
ただ痕跡のみ
残す
見えぬものを
聴く言葉、掬う言ノ葉
散らす人

俺は流石に音を上げた
貴女の遠去かるスピードに
流れる石、意志、猪の
猪突猛進
速度増し
雪崩れ来る狂っ! 
言葉失い
鉛の肉身を引き摺って
水面に溺れる狂った魚

未だ朝早き湧水の
うっすら青い水底から
貴女は不意に現れる
狂った魚を抱きしめに
残酷にまた美しく
虚空に声を響かせて

〉狂うどころの話じゃないワ
〉狂う余裕は何処からクルのっ
〉鬱に陥る傷深くとも
〉壊れたママでパパを呼べ

パパ神々の
元日を走った
夕に茜に燃える富士ヤマの
その
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