カーネーション/ああああ
思ってちょっといやだったけど、もう鼻がなれてしまった。
花を持て余しはじめたころ、母は「これを学校に持っていきなさい」といってぼくに持たせたが、教室にかざるのはなんとなく恥ずかしく、学童保育室に持っていって押し花にしていた。ノートに貼った押し花に思い入れはなく、ぼくはいろんな人にあげた。
お母さんは今日同じトラックと二回もすれ違ったという。お父さんを殺した血に飢えた凶暴なトラックが目撃者であるぼくらを付け狙っているのかもしれない、と言った。あんたも気をつけなさい。
花の蜜を吸いにきたのだろうか、茶色い小さい弱い虫がゴミ箱の裏に大発生していた。ガムテープでぺたぺたやることで退
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