ふうせん/アンテ
まゆこちゃんは
ぶらんこをゆらして
ときどき
がむをふくらませて
あしをゆらして
そらをみていた
ふうせんは
かぜにながされて
すぐにみえなくなった
そんなにたいせつなら
どうしてはなしてしまったの
こえがきこえた
きがしたけれど
だれもいない
だれもいない
しらなかった
どんなものにも
しくみ
があるんだね
しらなかった
えいえん
につづくものなんて
ないんだね
なーんにも
かんじなくなりたいなあ
まゆこちゃんが
いきおいよく
じめんにちゃくちする
ぶらんこがひとりでゆれている
すなばのよこ
くつがころがっている
よご
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)