サマータイムブルースの切れはし/秋葉竹
 

あかるいあの夏の日差しが切れ目なく
あればきっと誰も悲しまない

窓から見える灰色の景色にも
洗われる清々しい風が吹くかもしれない

家の周りにてお住まいの神々しい猫の声が
一匹っきりの自由を歌うから

雪の降る自由の行き先を
炬燵に丸まる猫の目が

雪のせいにしない清貧を
炬燵に丸まる猫の目が


この程度のしあわせなの?
って問うの

かも

かもね



猫が歩くかるい足音はせず
なのにこころには聴こえる不可思議女が

林檎をウサギにする鼻歌を
自由なキッチンに立ち口ずさむ絶妙無神経に

鏡は私をみて
涙の跡を映す奇天烈奇矯なら

呼び込む不幸のノスタルジーは
世界の問いかけに答える不在証明無し

なのかもしれない

しれないの

かもね







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