バイク/一 二
 
僕は一人この寒空の下で
座って焚火で君を照らして見ている

僕の青春の情熱は全て君に費やしたんだ
そして君から全てを学んだんだ
僕のオートバイの真上で全てを知れたんだ

興奮と己の無力さに笑わせてくれた
感動と痛みで泣かせてもくれた
良い意味でも悪い意味でも
空を飛べるような気にさえさせてくれた

だから人の死なんかちらつかせないでくれ
人を殺める道具にされないでくれ

君は君一人じゃ絶対に人を傷付けなかった
そんな無抵抗な君に文句を言うのは
君の事を知りもしないで
その癖に陰でぐちぐち言うやつだけだよ
きみは自分を持っていたからこそパワーがあった
君は今よ
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