ト なって11 フルサトへ/ひだかたけし
 
 ウネリ
五十八年の
歳月経て
音叉の響き∪∪∪
底無し縁底の
木霊スル木霊スル
これは確かに母の声、
白壁に当たり乱反射し

おかえりおかえりおかえりおかえり、、
オカエリオカエリオカエリ
おかえりおかえりおかえりおかえり、、、

只只
郷愁と憧憬の
この肉魂に込み上げる


白い紙が浮き上がる
この静かな夜
孤独になり
孤独に孤独を塗り重ね
真っ白になる
真っ白になり
巨大な破壊音
脳髄に響き渡り
次々襲う音の洪水、
噴き出す粘性の音柱、
絶えず絶え間なく
生成し続け逃れ去る

























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