真夜中の微笑み(クリスマス詩)/秋葉竹
 
えられない空虚な時を過ごします

共に信頼を 手放した

愛の秘密を 伝えられない

クリスマスと呼ばれる夜にはならないで

ください

その声を

真剣に聴いているのは哀しげなサンタクロース

深く傷つくまえに

お願いをきいてほしいといっています



街は彩られた光の速さで進みます

だれとも約束なくひとり

吹かれる風も音を立てて

顔や首筋に噛みつきにきます



そんななか彼だけが

現れるべきところに現れると

小さな微笑み浮かべ

その白く長いヒゲをそっと撫でながら

星空に祈ります


より良い世界が、おとずれますように







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