右手の、/
はるな
おはようと さよならと
犬の鳴きごえ 耳の色
右手のかたち 指のおと
この世界を忘れるために
規則ただしく生活をして
この世界を忘れるために
夢中で愛や夢をして
おはようと さよならと
犬の鳴き声 耳の色
ひらいた身体のさびしさや
寝息でしめる部屋の底
世界
右手の うえにのりそうな
ねじれてゆく存在に
すべてに 紐づけられた
それはうすい水いろで
忘れようにも
美しい
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