現実から逃げたい/こたきひろし
 
現実を直視できない眼は
はるか彼方遠い空を見ていた

現実から逃げたい自分がそこにはいた
夢のような物語りばかり思い巡らして
えがこうとする絵図
だけど
画用紙は破れて
色の欠けているクレヨン

穴の空いた心から
落ちてくる涙

全ては無言の劇
ステージの上には一向に熱くならない
パントマイム

結果は
いつも暗黒
出発点に戻れない旅があるだけ

とても難解な言葉の集積

現代詩が書けたような気分になってしまった
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