ト なって8 コトバ、ことば、言葉よ(改訂)/ひだかたけし
 
海越え夜底越え
宇宙の果てを走っていた
コーラコーラと木霊して
(底無き重ね写しのコーラ!)*
木霊の底まで響きの渦
響き渦巻く結界を
只ひたすらに走っていた

 名指され得ないモノ
 コトバの響きの渦に
 忽然と姿現し照り輝き
 また忽然と消えていく
 在ることのおぼろな輪郭を
 木霊させては逃れ去り

響き木霊のなかでのみ
己の在処を示すモノよ!


燃え盛る
刃、突き立ち
燃え盛る
沈黙の極みのこの夜に
刃、突き立ち
燃え盛る








*ジャック・デリダ『コーラ・プラトンの場』
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