ト なって5 声ことば/ひだかたけし
 
宇宙は雪降り
街は冬晴れ
燦々と照る
太陽渦巻き
宇宙の渦巻き
俺は聴く
銀河が
旋回
する
音を

タタタタタッ
走る走る
芭蕉の奥の細道を
走る走る
タタタタタッ
言葉が走る
過客が走る
底まで走る
奥の未知!

『一ふき風の木の葉しづまる』
と芭蕉が詠んだとき
芭蕉はコトバ
ト なって
沈黙を聴いている
(しづまる を 聴いているのは いったい 何か?)

一ふき風の木の葉しづまる
ひとふきかぜのこのはしづまる
ヒトフキカゼノコノハシヅマル
一ふき
風の木の葉
しづまる
一ふき風の 
木の葉しづまる

俳句は芭蕉の声で
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