また会える?と彼女は聞いた/ホロウ・シカエルボク
 
はどんなことをするの?」
「歩けないふりして繁華街を這ってみたりとか」
「マジ?」
「マジ」
「うーん」
「いま、何時?」
「えーと…三時ね」
「おれたちはもう一眠りしたほうがいいと思うんだけど」
「そうね、賛成…面白い話を聞く時間じゃないわ」


そうしておれたちは朝まで眠った
そしてホテルの前で別れた
「ね、また会える?」と彼女は聞いた
「たぶん会えるだろう」とおれは答えた
女は名刺を取り出しておれに渡した
「面白いことがしたくなったらお店に来てみて、少しは助けになれるかもしれないから」
「覚えておくよ」
「ね、ほんとよ、あたしはあなたのおかげで、凍死しなくてすんだんだから」
「約束するよ」
「ね、顔が腫れるまえにね…」
ああ、とおれは答えた



「あんたが起きてるときに」


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