世界/由比良 倖
 
くの携帯電話、

じゅうおくの、だんまつまの声のテープ、

地平から、天上へ、太陽をやっと反映するほどの、薄い、切ないくだが通っていて、

そのなかをとめどなくとめどなく流れる、ひゃくおくの人間の最後の(……()めいた)涙、

僕は見ていた、

とうとう海が(出来/干)上がる、



誰もいない場所で回転する、

(life is more than words)



いろどってください、ねえ、くだらない音楽!、ねえ、最後、
指先から滅びていく世界を、と、とと、とどめておくため、

黄色い風圧、身体中の関節をならして音楽をつくりたい、
(肉、肉、肉が邪魔なの、

(メモ:指輪を着けるのは、骨を剥き出しにするため、

「おはよう、起きて、」

(世界…。
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