よしっ。いや、ちょっと マテ。/るるりら
 
ほか軽い

 孤独死寸前で近所の人に報告された家の主は 今頃、病院だ
 なぜ 食べるものも食べず衰弱したのか
 詮索したいのは やまやまだが
 痴呆なのか銀行印や保険証などのありかさえ覚えがないらしい
 鍵を借りて、この家の主の貴重品をさがしに来た
 かみ かみ 紙 カミ 段ボール カミ
 ふんわりと かるく 紙でできた箱と箱
 天井まで積み上げられている無数の箱を指でつつくと、ゆうらり
 幽霊のように動く埃の館
 この家の家主を証明するものを探さねば
 彼女は、保証されるのに値するのだ
 引き出しを開けると 引き出しの中が直ぐには見えない
 
[次のページ]
戻る   Point(14)