よしっ。いや、ちょっと マテ。/るるりら
ほか軽い
孤独死寸前で近所の人に報告された家の主は 今頃、病院だ
なぜ 食べるものも食べず衰弱したのか
詮索したいのは やまやまだが
痴呆なのか銀行印や保険証などのありかさえ覚えがないらしい
鍵を借りて、この家の主の貴重品をさがしに来た
かみ かみ 紙 カミ 段ボール カミ
ふんわりと かるく 紙でできた箱と箱
天井まで積み上げられている無数の箱を指でつつくと、ゆうらり
幽霊のように動く埃の館
この家の家主を証明するものを探さねば
彼女は、保証されるのに値するのだ
引き出しを開けると 引き出しの中が直ぐには見えない
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