人生の冬に凍えた夜なんか/こたきひろし
 
演歌がやたら心に染みるのさ

何だか気がついたら年寄りになっちまってた
還暦過ぎちまってよ
どうしようもねえ 巻き戻しは効かないんだから
このまま先に行くしかないよ

老後はのんびり釣糸垂らして
お経でも写していようと思っていたのに
そんな余裕はどこにもなかった
経済がひっぱくして
やっぱり働かなければ干乾しになっちまうよ
格差社会の底辺に沈んでいるからな

今が人生の冬の凍えた夜なんだよ
先の明かりが見えない

そんな俺にはやたら演歌が心に染みるのさ

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