そんな訳でブルートは/TAT
 
いうのだから

話は単純では無かった

と考え過ぎていたのは俺だけで

ユリばあちゃは

上がれと一言告げて

あっさりと俺を受け入れたのだった

それも六年も



ばあちゃとの六年間をここに書く気は無い

こんな下らない場所に書く気は無い

問題は猫だ

フルートだ

はじめは働きもせずに貯金を食いつぶし

家賃も入れずに離れで寝ていた

メシも別で星を見ながら

阿呆みたいに田舎に酔っていた

無論食い詰めてその後

道の駅で野菜とか並べる時給仕事に就く事にした

人生のリハビリのように

人と向き合う訓練のように
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