壊れたものと壊れた私は/こたきひろし
深夜
名もない公園の駐車場に車を停めていた
他にも数台停めていたが人が乗ってる気配は感じられなかった
そこへ巡回中のパトカーが入ってくる
俺の車の横につけて停まった
警官が二人降りてきて私の車の運転側のドアを叩いた
すると無人と思われた数台の車のヘッドライトが点灯した
それからまるで蜘蛛の子を散らすように駐車場から出ていった
他にも車はいたのに何で俺だけが職質を受けなくてはならないのか
疚しい事は何もしていない
一人でこんな時間に何してるの?
年配の警官が聞いてきた
それで納得した
俺以外の車は一人以上だったのか
別に何もしてません
と俺は答えた ただ家に帰りたく
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