生臭い魚の腐った季節の中にいる/狩心
いアスファルトの地面に耳を押し当てると
おまえのひた走る素足の音が胸に響く
響いて
おれは安心して路上で眠る
目を開けると
コンテナの前に立っていて
野犬の首を切り落として
知が滴っている
知が滴るから
私は滴ることができない
中身をほじくり出して皮だけにして
それを被って深呼吸した
鼻から胃へと滴り落ちる知が
おまえの生理を おれの意味へと昇華させた
めくるめく 細胞の歓喜
筋肉が膨張する
毛穴を突き破って
体毛が体を覆い尽くす
ヘンシンするおれの体が電脳する
水溜まりに落ちていた電源ケーブルから
おまえのシとセ
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