私が私であるためには/
こたきひろし
詩は朝食前に書いている
夜が明けない前に起き出して
詩は出勤前に書き上げる
汚れた水を絞り出すみたいに
私が私であるためには
どうしても詩が必要だ
理由はわからない
たとえ解り得たとしても
説明はできない
それは漠然とした荒野の空の彼方を吹く風
のようなもの
かもしれない
私が抱えている孤独は
私である証明
私が私であるためには
詩は必要不可欠だ
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